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空き家対策事業BLOG

弊社が空き家再生事業を手掛ける理由

2023年4月9日 空き家対策事業

弊社は、二つの発想から「家サイクル」を事業化しました

1つは、既存の不動産屋さんには無い新たなサービスを提供する事で、お客様との直接の接点を持ちたいと考えたから。

2つ目は、弊社の強みを組み合わせた仕組みを作ることで、身近な課題である空き家問題に一つの解決策を提供できると考えたから。

以下、順を追って説明します。

1、弊社の経歴からの発想

(1)ハウスコーティング業からスタート

私は、2016年4月に中古設備を主な対象とするハウスコーティングを個人事業主として開始しました。ハウスコーティングは、リフォームメニューの一つですが説明するよりも、まずは、施工前後の画像でご覧頂きたいとおもいます。

一般に住宅のリフォームといえば壁紙の貼替や設備の入替、外壁の塗装や、少し規模が大きくなると間取の変更などですが、浴室やキッチンのような水回りの設備やフローリングには、再生するコーティングという手法もあるのです。
弊社では、このハウスコーティングのことをエコリフォームとしてリフォームの一つの選択肢としてご紹介しています

(2)事業者向けリフォーム業

ハウスコーティング事業では、主に、B to B 。取引先は、町のリフォーム屋さんや不動産会社さんです。

不動産会社さんとは、ハウスコーティングのお仕事での取引が始まったのですが、内装工事の全部を一括して任せたいとのご要望があり、ほどなくしてリフォーム全般を請負うようになりました。リフォーム現場で知り合いになった職人さん達からの協力を得られるようになったのです。今までに、大小合わせて100件を超えるリフォーム案件を経験してきたのですが、まだまだ使える(ように見える)設備が簡単に廃棄されているという事に驚く一方で、不動産業におけるハウスコーティングの強みも分かってきました。

ハウスコーティングは、賃貸住宅の経営者(大家さん)に好評

交換するか、お掃除で済ませるかの選択しかなかった、入居者退去後の原状回復工事に第三の選択肢を提供したことが評価されたのです。

この気付きが、「家サイクル」を始めるヒントの一つになりました。

(3)不動産業を開始

リフォーム業を通じて不動産屋さんとのお付き合いが増え、この業界の事が少しずつ分かり知識がついて来た頃の事です。元々不動産業に興味を持っていた私は、知合いになった不動産事業経験者の方と一緒に、2020年から不動産事業を開始しました。

彼は、賃貸住宅の管理の経験者で、のべ4,000軒、最も多い時期には300軒を同時に管理したことのある強者です。不動産仲介、建売住宅の販売、大手デベロッパーでの新築住宅の企画、そして中古住宅の買取再販などを経験した、不動産一家の出身で若いころに一通りのタイプの業務を修行した経験者です。

皆さんは、不動産業といってもさまざまなタイプがあるのはご存じでしょうか。

不動産会社の分類

以下は、私の独断の分類としてですが、

① 駅近に店舗を構え賃貸住宅の仲介・管理を得意とするタイプ
② 新築の建売住宅を企画開発し提供するタイプ
③ 個人の不動産の売買を仲立ちする不動産仲介に専念するタイプ
④ 大家さん向けにアパートなどの収益物件の紹介に注力されているタイプ
⑤ 中古住宅を買取りリフォーム済の物件として販売するタイプ

これら①~⑤が、一般的な不動産屋さんの分類になると思います。

弊社の業務は、⑤タイプ

私たちが選択し始めたのは、中古住宅を買取りリフォーム済の物件として販売するというものです。自前でリフォームが可能ですから、そのメリットを活かせると考えたのです。

一方で、この⑤タイプの活動をおこなうには大きな課題があります。

その1、中古住宅を買取った後にリフォームして販売するわけですから、まとまった資金が必要になります。
その2、まず中古住宅を買い取る必要があるのですが、その物件の仕入れが容易ではありません。

それでは、上記2点に悩まず事業展開できるのは、どのタイプでしょうか?
先行した大きな資金を必要とせず、中古住宅という物件仕入れも可能となる業務タイプです。何番になるか、お分かりになりますか?

答えは、③。不動産仲介事業です。
このタイプは、個人が所有する不動産を売却する機会に仲立ちするタイプです。
その収益パターンを具体的に見てみましょう。

X社は、Aさんが売りたい(仮に5,000万円とします)物件を、家を探しているBさんに紹介し取引が成立したとします。この場合、X社の手数料売上はいくらでしょうか?

不動産業では宅地建物取引業法で、仲介手数料の上限が決められており、400万円以上の物件の場合は、売買価格の3%+6万円(税別)になります。
上の例ですと、X社はAさんから156万円(税別)とBさんから156万円(税別)をそれぞれ仲介手数料として貰うことになりますから、合わせて312万円(税別)が売り上げになります。

さらに、家を買い替えるケースだとどうでしょうか、

先ほどのAさんが5000万円の物件を売って、新しい家を購入する場合です。
いわゆる住み替えですが、話を簡単にするために買い替える新しい家の価格も5000万円だとします。この場合X社は、Aさんから(5000万円×3%+6万円)×2(売るとき+買うとき)とBさんからの(5000万円×3%+6万円)を合わせた額である、156×3=468万円(税別)が売上になります。

それだけでは、ありません。

Aさんのような方から仲介の相談を受けるということは、買取(仕入れ)のチャンスも同時にあるという事です。
つまり、③の事業タイプは、とても「おいしい」事業パターンなのです。

「おいしい」ところには大手がいっぱい

それでは、この③のタイプを得意とする事業者にはどのような会社があるのでしょうか。そこには、全国規模の三井のリハウス・東急リバブル・住友不動産販売などの大手企業、さらに地元での有名企業が連なります。

もしも、あなたが何らかの事情で所有する不動産を売却したいと考えたとします。
あなたなら、大切な資産である不動産の仲介業者を探す時、何を頼りに依頼先の会社を選びますか?親戚や知人などの信頼できる人的な繋がりでもない限り、検討先として浮かぶのは前述のような大手の不動産会社ではないでしょうか。

我々が、これらの企業を向こうに回して直接お客様からお声がけ頂くためには、それなりの戦略が必要なのです。

(4)空き家再生事業を着想

ここで、弊社の事業運営のポリシーをご紹介したいと思います。

「住」そして「生活」に関連したサポートを行う会社として、今までにない新たな価値を提供することで、皆様の人生(ライフ)を豊かに(プラス)することを目指し、これを使命とする。というものです。

そもそも、「ハウスコーティング」の事業を始めたのは新たな価値を提供できると考えたからでした。不動産業者として、私たちの強みを活かす、新しく独自の価値を打ち出す事が出来ないか、この想いから発想したのが空き家再生事業「家サイクル」です。

私たちの強みである賃貸住宅に好評なハウスコーティングによる設備再生のノウハウ、累計で100件を超える内装全般をリフォームした経験、賃貸管理の経験を持つメンバーの在籍などを活かした新たなサービスが「家サイクル」なのです。

どれくらいの費用を掛ければ賃貸住宅として運用できるのか、そのリフォームを任せられる会社はどこにいるのか、入居者探しはどうするのか、クレーム処理はどうしようか、、、などなど、空き家オーナー様が考え出したら面倒になる様々なことを、我々なら一社で解決出来る。そんな可能性を感じて地元の逗子市から空き家対策活動を開始しました。

この「家サイクル」のサービスのご提供を通じて、③タイプには無い方法でお客様との直接の接点を持ちたいと考えたわけです。

2,空き家問題への気付からの発想

(1)自宅の周辺が空き家だらけ

私は、約50年前から神奈川県の逗子市に住んでいます。住宅地に他県から引っ越してきました。当時の事を今でも覚えていますが、新たに開発された街並みはきれいに整い、周りには友達も多くいて両親の世代は働き盛りでした。公園で遊ぶ子供たちも多く、町内には活気があったように記憶しています。空き家など一軒も存在していませんでした。

ところが世代交代が進み、この街で産まれ育った隣人達も巣立っていき、徐々に居住者の年齢層が上がり、住宅街からは少しずつ活気が失われていきました。そして、ここ10年位の間に使われなくなった家屋が散見されるようになりました。

我が家は、2年前から(ペットとして)2匹のチワワと生活を共にしています。(ペットと暮らすのは初めてなのですが、愛犬との生活がこれほど楽しく癒されるものだとは知りませんでした。)おかげで近所を散歩することもが増えたのですが、気が付くとあちこちの空き家が目に付くようになりました。それまで、漠然と認識していた社会問題であった空き家の問題を身の回りの現実の事として意識するようになったのです。

覗いてみると、隣の家に枝が出ているなどというのは当たり前、雑草が茂り放題になっている家屋、軒下が抜けてしまっているもの、中には、屋根にブルーシートがかけられたままになっているお宅もあります。空き家の周囲に住むお宅は大変です。
町内で数えてみると約450戸のうち25件ほどが空き家。けっこうな数の空き家が、身の回りに存在していたのです。

そこで、市内を横須賀線沿いに調査して回ったのが下の画像になります。100件を超えたところでGoogle Map 上に印をつけてみました。(2021年末の状態)

(2)空き家の増加

なぜこんなにも空き家が増えているのだろうかと考えるようになりました。

思い当たったのは、我が家の将来です。

子供たちは、すでに家を離れ、それぞれに独り立ちしています。彼らは、伴侶を見つけて生活の拠点を他県に定めていますので、おそらく、この町に帰ってくることは無いでしょう。私たちの世代がいなくなれば我が家も空き家になるかもしれない、そう考えるようになりました。

日本の給与平均の推移(厚生労働白書 令和2年版)

今の日本では就労世帯には金銭的な余裕がなく、我が子たちも自分の生活で手一杯です。もしも空き家を受け継いで、処分する気になれず所有し、空き家にせずに賃貸経営を始めようと考えたらどうなるでしょうか。

まとまった費用が必要だと言われるのです。また、若い世代でなくても、百万円を超えるような費用を右から左にと用立てる事が出来る方ばかりではないと思います。
そうなると、この町は、賃貸住宅としての需要がある地域であるにも関わらず、この先も空き家は増え続け、街は歯抜けのような状態になってゆくのではないか、そんな風に思ったわけです。

3,「家サイクル」の仕組み

家サイクルのビジネスモデルは、以下の図を使ってご説明したいと思います。

弊社(LIFEPLUS)は、オーナー様から一定期間(2年以上)空き家をお借りします。そのうえで全額弊社の費用でリフォーム。賃借人を募り、入居後の家賃を得てから、その一部をオーナー様にお支払いし、同時に弊社はリフォーム費用を回収させて頂きます。

前述の通り弊社の得意分野を組み合わせること、さらに、必要になる初期費用を入居者からの家賃で賄う仕組みにすることで、オーナー様の負担は無しに、抱える個々の煩わしい課題を解決できるのではないか、それが「家サイクル」を発想したもう一つの理由です。

このようにして発想した「家サイクル」は、試験的な試みとして近所の空き家のオーナー様にこの仕組みをご説明したところ快諾頂き、昨年の3月から実際に賃貸運用されています。

 

また、単なる思い付きの域を脱し、事業計画として信用に足るものとすべく、昨年末に経営革新化計画に申請し、令和4年度/神奈川県経営革新計画承認企業、として認められました。

画像は、逗子市商工会の会報誌にて紹介された様子になります。

4,まとめ

私が空き家再生事業「家サイクル」を行おうと思ったわけ、それは大きく2つの理由からです。

1つ目は、地元企業としての独自性を打ち出し、新たなサービスを提供する事で、お客様との直接の接点を持ちたいと考えたから。

2つ目は、身近な課題である空き家問題に弊社の強みを組み合わせた仕組みで一つの解決策を提供出来ると考えたから。

以上が「家サイクル」を始めた理由になります。

より多くの皆様にこの仕組みとサービスモデルをご理解頂きながら弊社としては、地元の活性化にも貢献できればと考えています。